[アクアリウム]初心者が最初に揃えるべき備品とすべきことまとめ

2019年2月7日

最近ペットブームになりつつあると普段通っているペットショップの店員さんから話を聞きました。

そんな中でも特に人気なのがアクアリウム。手軽に始められて維持費もそんなにかからない事が人気の理由らしいです。

今回はそんなアクアリウムを始めてみたいと思う初心者の方に向けて、暦4年の準ベテラン(?)筆者がアドバイスしていこうと思います。

方針を決める

まずはどのようなアクアリウムにしたいか、ザックリと方針を決めましょう。

成り行きばったりで欲しいものを詰め込んでいくと見栄えが崩壊したり、全滅したりと悪いことしか起こりません(体験談)

水槽の形態

まずは水槽の形態です。

水槽には1種類の魚を飼育する単独飼育と、複数の生体を入れる混泳水槽があります

単独飼育

単独飼育はグッピーならグッピーだけ、プレコならプレコだけと1種類の生体だけを水槽に入れる飼育方法になります。

メリット

メリットとしては1種類しかいないため飼育難易度が格段に優しくなります。また、繁殖も狙いやすくなるので、世代交代を楽しみたい方や数を一気に増やしたい方は1種類に絞って飼育しましょう。

デメリット

デメリットは1種類だけなので少しもの寂しくなってしまう点です。これは後述の水草水槽で彩りを出せるので解消することは可能です。

混泳水槽

混泳水槽は一つの水槽内に複数の種の生体を投入する方法です。例えばレインボーフィッシュを複数いれ、さらにシュリンプやプレコも入れるといった水槽になりますね。

メリット

それぞれの魚やエビの色が映し出されるので見栄えがかなりよくなります。また、食物連鎖を見ることができ、水槽内に小さな生態系が出来るのも面白いです。

デメリット

デメリットとしてはそれぞれの魚に相性があり、一方的に強い魚が弱い魚やエビを攻撃し餌として食べてしまうなど注意を払う必要があります。投入した魚の生存率は格段に下がりコスパの面でもかなり悪いといえます。

総括

御互いのメリット、デメリットを考慮すると、初心者の場合は単独飼育をオススメします。どうしても複数飼いしたい場合は2種類ほどに抑え、相性のよい組み合わせにしましょう。

水質

水質には酸性寄り、アルカリ性寄りがあります。

それぞれの水質に適合した生体やメリット・デメリットがあるので、それらを含めて選びましょう。

酸性

酸性水槽は比較的作りやすく、酸性水槽でアクアリウムをやっている方が多数派です。

メリット

メリットはなんといっても酸性の水質に適応する生体の多さにあります。

グッピーやベタなどの人気どころからビーシュリンプやプレコなど、コアなファンを持つ生体も殆どが酸性を好みます。

また、ソイルや飼育していく環境上でも自然と酸性に傾きやすいので、管理が楽と言った点もあります。

詳しいメリットは下記の記事にまとめてあります。

適応生体

適応する生体は先ほど紹介した生体に加え、エンゼルフィッシュなどのディスカス系、ネオンテトラなどのカラシン系も該当します。

また、大抵の水草も酸性に適合しています。

アルカリ性

割とマイナーではありますが、アルカリ性の水槽にもメリットがあります。

メリット

アルカリ性水槽は以前は作るのが難しいといわれていましたが、最近では濾材や底砂の登場で難易度もグっと下がりました。

アルカリ性ではバクテリアの動きが酸性水槽より活発化するので毒性のある物質を分解しやすくなる点も嬉しいですね。

適応生体

適応する生体は屋台で有名な金魚や鮮やかな体色を持つシグリット系が該当します。

また、水槽の掃除やさんとして名高い貝の仲間も殻を形成する際カルシウムが必要といわれており、アルカリ性の環境下では育ちやすい生体です。

水草水槽

先ほどチラッと出した水草水槽です。水草は単独水槽にも混泳水槽にも植えることが可能で、見栄えだけでなく水の浄化作用もありお勧めです。

種類や色、適応する水質も多種多様なので、どんな水槽にも何かしらの水草を入れることが可能です。

詳しくは下記のページにまとめてあるので気になる方は目を通して見てください。

ベアタンク

最後にベアタンクと呼ばれる水槽の形式をご紹介します。

基本的に水槽には底にソイルや砂利と言った底砂を敷きますが、あえて何も敷かないベアタンクと呼ばれるものもあります。

底に砂がない分有害物質の吸着や分解、水草を植えるといったことは出来ませんが糞や食べ残しなど、水質を悪化させるものを簡単に目視することが可能で、結果的に有害物質の元が発生する前に取り除くことが出来ます。

毎日水槽をメンテナンスできる時間がある方はこちらから始めてもよいかも知れません。(後ほど底砂を追加することも可能)

必要な物

どのような水槽にするか決まったら、次は機材を購入していきましょう。

水槽

まずは水槽です。これが無いと始まりませんね。

一般的には30cm、45cm、60cm・・・と15cm単位で大きくなり、それに伴いお値段も上がっていきます。

初心者の場合は小さいサイズの30cm水槽から、と思われがちですが、小さい水槽は水質の悪化が早く、実は上級者向けなのです。

60cm、可能であれば90cm辺りの水槽を選ぶことをお勧めします。

ちなみに水槽のサイズにより収納できる魚の量も増えていきます。下の表はあくまで参考程度に見てください。

サイズ 水量 匹数(体長3cm)
30cm 12L 6匹
45cm 36L 12匹
60cm 60L 30匹
90cm 160L 80匹

このように、3cmの魚であれば2Lで1匹の計算で問題ないです。

底砂

底砂は砂利や砂を使う石由来のものと、ソイルと呼ばれる土を焼き固めたものとに大別することが出来ます。

砂利

砂利、砂は石由来のもので、海辺の砂や砂利を想像して頂ければ問題ありません。

砂利の利点は表面に小さい穴が多く空いており、バクテリアが住み安い環境のため水質維持が楽である点と、寿命が長い(定期的に洗浄すればほぼ永遠)点です。

また、砂利の多くは水質をアルカリ性に偏らせる効果があります。

ソイル

ソイルは土を固めたもので、さらに栄養系と吸着系の2種類に分かれます。

栄養系ソイルは植物の成長に欠かせない栄養を初めから含んでおり、水草水槽に用いれば水草の育成が容易に出来ます。

また、吸着系ソイルは栄養こそ含んでいませんが、魚の糞や食べ残しなど、老廃物から発生する有害物質を吸収する役割があります。

水草メインで育てたいなら栄養系を生体メインで育てたいなら吸着系を選びましょう。

(栄養系)

(吸着系)

また、水質を酸性にする作用もあり多くの生体に適合する点もメリットですが、土を固めたものであるために1年から2年で崩れてしまい、その度に入れ替えないといけないといったデメリットもあります。

フィルター

水槽を買って、その中に水を入れて置いておくだけではバクテリアの浄化作用が間に合わず、いずれ生体にダメージを与えてしまいます。そのため、バクテリア以外にもフィルターを置いて汚れを越取る必要が出てきます。

フィルターには大きく分けて外部に水を流し、そこで濾過する外部フィルターと水槽内部で水を浄化する内部フィルターがあります。

外部フィルター

外部フィルターはその名の通り、水槽の外側に設置して水を吸出し、そこで浄化して水槽に戻すといった働きをします。

初期費用は少々高いものが多いですが、単位時間当たりの浄化できる水の量が多く90cm等の大型水槽の場合は外部フィルター一択になります。

ただしそれなりに場所をとるので、大型水槽に加えて外部フィルターが置けるかどうかも加味して選びましょう。

内部フィルター

内部フィルターは水槽の中に投げ込む式のフィルターになります。外部フィルターに比べると濾過能力は劣りますが、エアレーション機能を備えているものが多く、使い方も水槽の中に入れるだけで良いので簡単です。

一般的には30cm水槽などの小型水槽に用い、大きな水槽には向かないように思えますが、複数個入れて濾過能力を補うといった使い方も出来ます。

エアレーション

エアレーションは水槽内の酸素を増やすために必要で、特に夏場等の水温が上がりやすい時期には酸欠防止に不可欠です。

ポンプからチューブで繋いでエアストーンから空気を出させることで泡のカーテンを作ることが出来て見栄えの面でも美しくなります。

ライト

熱帯魚は人間同様、昼に活動して夜に寝ます。

そのためライトによって昼夜を作ってやることで生活サイクルが出来上がります。

また、水草水槽の場合は光合成もしなければならないので尚更必須になってきます。

水槽の大きさにあったサイズのライトを選びましょう。

水温調整機

夏場、冬場の温度管理はすごく大事です。

暑さ対策

熱帯魚は名前の通り熱帯に生息しているので暑さにはそこそこ耐性がありますが、エビの場合は30℃付近で真っ赤に茹で上がってお亡くなりになってしまいます

夏場で30℃はザラなので、水温を下げる必要があります。

小型水槽の場合は安価な扇風機で、大型水槽の場合は相応の冷却機が必要になってきます。

寒さ対策

冬に関してはシュリンプは耐えられるのですが、逆に熱帯魚がバタバタ死んでしまいます。

こちらは水槽のサイズにあった投げ込み式のヒーターを使いましょう。

ヒーターもサイズごとに大きさが変わるので、サイズにあったものを選んでください。

寒さ対策の記事は個別にあるので気になる方はご覧ください。

その他資材

今挙げた機材以外にも細かな消耗品が必要となってきます。思いつく限りのものをざっと列挙していきます。

プロホース

プロホースは底に溜まった老廃物を取り除くために必須になります。

ベアタンクに限らずソイルや砂利を使っていても老廃物だけ吸い上げてくれるので大変便利です。

サイズは30cmならSを、60cmならMを、90cmならLを選びましょう。

バケツ

プロホースで吸い上げた不純物交じりの水や、水換えの際の新しい水はバケツ無しでは移せません。

5Lか10Lのバケツがあると便利で、場合によっては2つあると困らないかもしれません。(新規に魚を導入する際など)

カルキ抜き

水道水には塩素が入っており、水換えの時にそのまま水を入れると生体にダメージを与えかねません。

汲み置きして塩素が抜けてから水槽に水を入れることも可能ですが、かなりの時間がかかってしまい非効率なのでカルキ抜きを使いましょう。

水温計

ヒーターやクーラーが壊れてしまい、それに気付かずに放置すると水槽内が全滅・・・なんて事もあります。

常に温度が分かるように、ディジタル式の数値が表示されるものを選んで使用しましょう。

水質チェッカー

水質は目に見えないもので、いつの間にか酸性からアルカリ性に変わっていたり、有害物質が発生していたりするものです。

定期的に水質を測れる試薬を使って生体の安全を確保しましょう。

立ち上げ方

機材が整ったらいよいよ水槽を立ち上げます。

水だけ入れて数日間エアレーションを回す

水槽を買ったら直ぐに生体を入れて鑑賞したいところですが、最初はぐっと我慢して水だけ入れましょう。

水槽を立ち上げたばかりの環境ではバクテリアがおらず、その状態で生態を入れると発生したアンモニアや硝酸が分解されず、水槽内の環境が一気に悪化してしまいます。

まずは水槽に水を入れ、エアレーション・フィルターを使って水の流れを作りながらその状態で1週間程おいておきましょう。そうすることで空気中のバクテリアが溶け込み、水中に増えていきます。

また、水草に関しては有害物質と関係ないので初期段階で植えてしまって問題ありません。

パイロットフィッシュの導入

水槽の水を循環させて1週間程したらパイロットフィッシュと呼ばれる生命力が強めの生体を入れましょう。

パイロットフィッシュを入れて再び1週間程様子を見て無事ならいよいよ本命を投入しましょう。

パイロットフィッシュも本命も水合わせが必要ですが、その方法はペット専門店のチャームさんが詳しく解説しているので参照ください。

パイロットフィッシュには安価で強く、見た目も綺麗なネオンテトラやグッピーがおすすめです。

飼育難易度はほぼ同じでどちらも簡単ですが、グッピーはかなり増えやすく、ネオンテトラは増えにくいのでその点も加味してみてください!

本命投入

パイロットフィッシュが1週間程無事だったらいよいよ本命投入です。丁寧に水合わせして生体を投入して鑑賞を楽しみましょう!

万が一本命の魚がすぐに死んでしまった。という場合は下記をご覧ください。

水槽内だけではなく、購入した店や購入経路に問題があった場合もあります。

日々のメンテナンス

アクアリウムは水槽を立ち上げて生体を入れてそれで終わりではありません。日々メンテナンスを欠かさずにすることで水槽内の環境が整い、魚の体色が良くなったり繁殖しやすくなったりといいことづくめです。

餌やり

餌は毎日時間帯を決めて少量与えましょう。

生体のサイズや量によって変わるのでこの量が良い!と断定はできませんが、目安として1日で食べきる量を与えてください。

1日以上餌が食べられないまま置かれると水中に解けて水質を悪化させてしまいます。

また、餌を食べない場合は合ってない場合もあるので色々試してみましょう。

決まった時間に決まった量を上げるのがめんどくさいと言う方や、旅行で数日間餌をやれないと言う方は自動給餌器なるものがあるので使用してみてください。

量も時間も任意で決められて大変便利です。

光の調節

ライトに関しては、朝はつけて夜は消すようにしましょう。

また、植物は赤と青の光が光合成に欠かせません。したがって、水草水槽の場合はライトを選ぶ際に赤と青の光もあるものを選びましょう。

底砂掃除

ソイル、砂利にかかわらず、1ヵ月に1度の割合でプロホースで掃除をしましょう。

プロホースをそこにさし、ポンプを押して水を吸い上げるだけで自動的に沈殿物が吸い上げられて簡単に掃除できます。

藻の対策

アクアリウムをしているとガラス面に付着する藻が出てくることがあります。

これはエビの餌として重宝しますが、見た目は悪く観賞価値を大きく損なってしまいます

道具を使って除去する方法や生体で除去する方法がるので、下記を参考にしてみてください。

飼育が簡単!おすすめの生体は?

最後に、初心者でも簡単に飼育できるオススメの生体を何種類か紹介していこうと思います。

生体の中には僅かな水質の変化で体調を崩してしまったり、なかなか環境を整えにくいところでしか育成できないものも居ます。

それら難易度の高いものを除き、簡単に育成できるものに限定します!

グッピー

体の模様や色が多様で複数匹入れておくだけでも彩を与えてくれるグッピー

先ほどのパイロットフィッシュの所でも紹介しましたが、グッピーはかなり体が丈夫で雑な飼い方をしていても弱るどころかむしろ増えていきますw

パイロットフィッシュとして投入して、そのまま買い続けることも出来るので筆者のようにめんどくさがり屋な方にも向いていると言えます。

しかし、食欲旺盛で他の魚の餌を奪ってしまうこともあるので動きが遅い生体と混泳させるのはお勧めできません。

ベタ

ベタはコアなファンがつくほど魅力のある熱帯魚で、こちらも長寿・丈夫な魚になります。

我が家で飼育していたベタは真っ青な固体で約3年ほど生きてくれました。

値段もそこまで高くなく、上級者になるとグラスの中でも飼えるらしいので非常に面白いですね!

オスとメスを同時に水槽に入れると喧嘩するので、繁殖させたい場合は少し難易度が上がります。

オトシンクルス

オトシンクルスはナマズの仲間で吸盤のような口でガラスに張り付く姿が可愛らしいです。

オトシンの仲間は水槽に張り付いた苔も食べてくれるので苔対策が苦手な方にもおすすめ。

性格も穏やかで他の魚と喧嘩することもないので混泳水槽での飼育にも向いています

チェリーシュリンプ

チェリーシュリンプはヌマエビの仲間で、色とりどりの体色をしています。

エビの中でも比較的難易度が低く、筆者もアクアリウム初心者の頃にチェリーシュリンプを飼育しました。

繁殖力もなかなかのもので、水槽内の環境が良いとあっという間に爆殖します。

アクアリウムを初めて4年立ちますが、初期に立ち上げた水槽には未だにチェリーシュリンプの子孫が生き残っていますw

一応稚エビは他の魚の餌になりやすいので、グッピーたちとの混泳は控えましょう。

カラーバリエーションに関しては下記を参照ください!

まとめ

今回はアクアリウムを始めてみたいと考えていらっしゃる方にできる限りのアドバイスを書かせていただきました!

他にもわからないこと等ございましたら、コメントかメールでご連絡ください!